ダメ、ゼッタイ?

ダメ、ゼッタイ?

鶴見済の『檻のなかのダンス』(太田出版)を読んでの気付き。これは社会問題にもなった『完全自殺マニュアル』で知られるフリーライター(当時)の鶴見が、自身の覚醒剤所持による逮捕の体験記を中心に、ダンス、レイヴ、ドラッグ、神経症などにかんするルポとコラムを収録したエッセイ集である。その一節「青少年のための覚醒剤入門」の中に、次のような記述がある。覚醒剤と言えば「一度手を出したらやめられなくなり、いずれ幻覚・妄想や凶悪犯罪に行き着く」恐怖のクスリのはずだ。(中略)なのに錯乱してるヤツとか、覚醒剤凶悪犯なんて全然いないのはなぜなんだ?実は「覚醒剤=幻覚・妄想・凶悪犯罪」というのは、世界でも日本だけの“常識”なのだ。ヨーロッパへ行ってドラッグの本や雑誌を見て気づいたが、薬害としての「幻覚・妄想」は「不眠」なんかと一緒に「や...ダメ、ゼッタイ?