国民国家体系を破壊する中国―新たなCOCOMが必要?
第二次世界大戦後にあって、日本国内では、国家の存在を否定した共産主義の影響も手伝って‘国家は悪者’と見なす傾向が強く、国際社会における国民国家体系に対しても否定的な見解が大勢を占めておりました。国家がなければ戦争もなく、平和な時代が訪れるとして…。とりわけ左翼の人々にとりましては、国家やそれによって構成される国民国家体系とは、平和実現のために‘倒すべき敵’、あるいは、‘破壊すべき目的’でもあったのです。米ソ冷戦期にあっては、ソ連邦が日本国に対して軍事的脅威を与えつつも、戦後復興やその後の急速な高度成長の陰に隠れて国民の関心は低く、左翼の欺瞞、即ち、‘ソ連邦の軍備は是であって、日本国のそれは許さない’というダブルスタンダードも見過ごされてきた嫌いがあります(ソ連という国家存在のみは認める…)。憲法第9条が定めた軍...国民国家体系を破壊する中国―新たなCOCOMが必要?