危うすぎる日本農業の輸出志向への転換
報道によりますと、菅政権は、日本国の農政について「農産物輸出5兆円目標」を掲げています。日本産の農産物の輸出額を5年後には2兆円、さらに10年後には5兆円に伸ばそうとする政策なのですが、この政策、食糧が国民の命や生活と直結するだけに、あまりにも危険すぎるのではないかと思うのです。第一に挙げられる問題点は、目標数字の非現実性です。日本国の総GDPに占める農業の比率は凡そ0.9%程であり、額で見ますと凡そ5兆円ほどです。すなわち、輸出目標の5兆円とは、今日の日本国の農業分野のGDPと匹敵しますので、単純に計算してみれば、現在、国民向けに生産されている農産物の大半を輸出向けに転換しない限り、目標は達成できないこととなります。あるいは、休耕地を全て輸出向け作付け地とする、もしくは、新たに輸出向けの‘プランテーション’を...危うすぎる日本農業の輸出志向への転換