しつけに暴力は許されるか

しつけに暴力は許されるか

「この馬鹿!!!!!」 ぱんっと乾いた音がして、呆けていると次第に頬のあたりがじんわり温かくなった。次第に、焼けるような熱さに変わり僕はその場所に手を添えた。 じわじわと視界が霞んで、やがてそれは滴となって僕の顔を伝い、顎から流れた。 その時初めて、僕は自分のしでかしたことの重大さを身を知った。罪悪感が僕の心臓を突き刺して、頬と心の痛みを必死に堪えた。 母は何度も何度も頭を下げていた。 振るえた声で頭を下げる母の後ろ姿を、僕は滲む視界で必死に目を凝らしながら見ていた。 ・・・・・・ 『奈津子、どうした?』 仕事から帰宅し、速攻で夕食と風呂を終えた僕は、テレビを見ながら一杯飲もうと缶ビールとつま…